『肩こり』は病気!?定義とは?

肩こりといっても、筋肉や骨格系疾患に関連した肩こりもあれば、循環器系由来の肩こりもありその病態は様々です。そもそも”肩こり”という用語はいつ頃から使われ始めたかご存じでしょうか。意外にもそんなに昔のことではないんです。この表現が一般化させたのは明治の20年から40年頃にかけて肩が凝るという言葉が人々の口から言われ出し、それを夏目漱石がいち早く取り入れたとされるそうです。ちなみに、この”肩こり”という表現は日本独特の表現だそうで、英語ではこのような表現はないそうです。一般的な定義としては、『頚より肩甲部にかけての緊張感(こり感)、重圧感及び鈍痛などの総評』とされます。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、女性が訴える自覚症状の第1位が肩こりで、男性でも第2位に挙げられています。 ただし、骨や神経の異常による“病気の症状としての肩こり”もあります。ですから軽視はできません。

肩こりにおける分類

肩こりは、本態性(原発性)、症候性、心因性のものと大きくわけて3つに分類させれます。本態性(原発性)は、はっきりとした疾患が見当たらないものを示します。これらの症状を引き起こす要因としては、不良姿勢や運動不足による筋力低下、不適切な運動、過労、悪冷、ストレスや加齢などが挙げられます。症候性肩こりは、外科や内科的領域における身体疾患に起因します。中でも頸椎疾患、肩関節の機能障害やこれらによる周囲の筋群の異常によることが多いとされます。頸椎疾患でいうと加齢に伴った変性によるものが多く、頸椎ヘルニアや椎間関節に異常、骨棘形成等の神経根圧迫による神経根症状を引き起こす。この神経根症状が肩こりの原因としてウエイトを占めます。肩関節の機能障害は、一般的に肩関節周囲炎言わいる五十肩や肩腱板損傷が要因で周囲のみならず頸や肩、腕などに様々な症状を引き起こします。これらでは痛みや拘縮によって周囲の筋群の異常収縮をきたして肩こりを生じていると考えられます。そして心因性の肩こりは、他の慢性症状と同様に心因性の因子の存在も関連します。また精神神経科の領域でいうとうつ病や心身症、パニック障害で肩こりを訴える方も少なくありません。一般的には、ストレスや不安、緊張が原因で筋肉に異常をきたすとされます。

肩こりの予防

肩こりの限らず、病気にならないための『予防』は大切です。慢性肩こりで言うならば、やはり日常生活の見直しと定期的なストレッチでないでしょうか?あと大事なことは、肩こりの改善・予防に対しての”自己効力感”が高いかどうかです自己効力感とは、結果を生み出すためにおいて必要な行動をどの程度行っているかという”遂行可能感”のことを言います。ご自身がいかに症状に対して真剣に向きあい、症状改善のために実行されているかです。病院で治療されている方や鍼灸、整体、カイロプラクティック等の代替療法でも肩こりの症状が軽減されない方は一度しっかりと生活習慣を振り返ってみてもよいかもしれません。

サインカイロプラクティックの院長 中村